「魔法の文学館」が11月3日(祝)にオープン
11月3日(祝)、「なぎさ公園」内に、『魔女の宅急便』の作者であり児童文学作家 角野栄子さんの世界観を表現した児童文学館「魔法の文学館」がオープンした。それに先がけ、10月17日(火)にオープニングセレモニーが開催された。
子どもたちが豊かな想像力を育む場に
「魔法の文学館」は、『魔女の宅急便』の作者として知られる角野栄子さんの作品と功績を多くの人たちに知ってもらうとともに、未来を担う子どもたちが児童文学に親しみ豊かな想像力を育む場となることを目指した児童文学館だ。
斉藤猛江戸川区長は、多田正見前区長の構想から5年越しの完成を心から祝福した。同館では机だけではなく、小さな「おうち」の中や大階段に座って、外の芝生広場で寝転んでなど、好きなところで本を読むことができる。「多くの皆さんに、角野先生の世界観を体験してほしい。子どもたちが豊かな想像力を育む場になれば」とあいさつした。
角野さん選出の1万冊がずらり「本と友だちになって」
「魔法の文学館」館長を務める角野さんは、「今日は魔法を使って空の雲を全部取り払って、この輝かしい文学館にやってきました」と独特の表現で会場を沸かせた。
「皆さんにもぜひワクワクして過ごしてほしい。どんな本でもよいので、自分がおもしろそうだなと思う本を手に取って、好きな場所で読んでください」と話した。
館内には、角野さんの作品のほか、角野さんが子どもたちに読んでほしいと選んだ1万冊が並ぶ。「まずは1冊、読み切ってみませんか。読み終えたことが自信になってきっとまた読みたくなるはず。本と友だちになってくださいね」と子どもたちにメッセージを送った。
隈研吾さんが「コリコの町」を
くぼしまりおさんが「いちご色」を表現
館内は『魔女の宅急便』の舞台「コリコの町」をイメージした。設計を担当したのは世界的な建築家の隈研吾さん。外からみると緑の丘の上に建つ小さなおうちだが、その中には「コリコの町」が広がっていることについて「街が建物の中に入るのは通常とは逆の発想。とても珍しい建物なので、世界中の人が訪れてくれるのではないかと期待している」と自信を見せる。こだわったのは、「子どもたちが自由を味わえる空間にする」こと。「自由な空間で過ごすことで、新しい発想が生まれるのではないか」と話す。
「いちご色は何色?」との質問に、アートディレクターで角野さんの娘、くぼしまりおさんは、「いちご色の定義はないんです。皆さんの頭の中にそれぞれいちご色のイメージがあるはず。そのピンクや赤が混ざり合ってできた色が、当館のいちご色です」と、角野さんの色への感覚を子どもの頃から側で見てきたからこその話を披露。
最後に、魔法の文学館に一番近い小学校、南葛西第二小学校6年生の代表3人が「小さいころ『おばけのアッチ』を読んでいた。作者の角野栄子さんの想いがつまった魔法の文学館が近くにできてうれしい。南葛西の地域にたくさんの人が訪れてほしい」と、多くの来場者を歓迎した。