江戸川区は区民の熱中症による重大な健康被害の発生を防止するため、2024年4月24日(水)から運用を開始した「熱中症特別警戒情報」の発表に係る対応を取りまとめた。防災行政無線などを活用して周知を図ることや区施設81カ所をクーリングシェルターに指定することなどを定めた要綱を制定し、23区内でもいち早く公表している。
環境省が2024年4月24日(水)から10月23日(水)まで、健康に重大な被害が生じる恐れのある場合に発表する「熱中症特別警戒情報」。温度や湿度などをもとに推計した翌日の最高暑さ指数の予測値が都内全地点で35を達する場合にアラートを発表する。
2023年、都内は記録的な暑さに見舞われ、年間の猛暑日は22日間、真夏日も90日と過去最多。また、23区内の熱中症による死亡者数も増加傾向で、昨年は251人と過去5年で最多となった。今後、温暖化が進行すれば、高温のリスクもさらに増加が見込まれ、より万全な熱中症予防に努めることが大切になる。
区は今月、熱中症特別警戒情報の発表に係る措置に関する要綱を制定。
防災行政無線をはじめ、区ホームページやSNS(X 旧Twitter)などにより、発表時には熱中症特別警戒情報を広く情報発信する。
また、概ね徒歩圏内に1カ所以上を目安として、区施設81カ所をクーリングシェルターに指定。夏季期間中は、気軽に暑さを一時しのげる場所「えどがわ“ひと涼み”処」として常時開放し、体の熱をとる機会を増やして熱中症予防に効果的に取り組む。
さらに、高齢者などの熱中症弱者に対する配慮として、関係機関と連携して地域における見守りや声かけを促していく。
熱中症予防に資する総合的な対策を円滑に実施するため、副区長を本部長とする「区気候変動適応本部」が庁内における情報の連絡調整を担う。
環境部気候変動適応計画課佐藤弥栄課長は、「4月から5月にかけて10年に一度程度の高温が予想されます。区としても早い時期からの暑さ対策に備え、熱中症予防を呼び掛けていきたい」とコメントしている。