公開日: 2024年1月1日

【年頭インタビュー】葛西消防署長

葛西新聞
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地域に密着した活動で防災意識の向上に努める

葛西消防署 黒﨑清貴 署長

葛西消防署の黒﨑署長に、昨年の振り返りや感じている課題、今年力を入れていくことについて聞いた。

救急の出動件数増加が課題適正利用を

課題としてまず挙げたのが「救急車の適正利用」だ。昨年5月、コロナが5類に移行したことで救急搬送のひっ迫状況が改善されるかと思いきや、実情はそうではなかった。
管内の救急出動件数は、1万3477件(令和5年12月15日現在)に達しており、令和4年の累計より270件多い。
「東京都全体で見ても、出動件数が昨年比で多くなっています。高齢化の影響や夏前の早い段階から熱中症が発生していたことなどさまざまな理由が考えられますが、『新型コロナやインフルエンザ流行での救急出動だけが原因ではなかった』と考えるべきでしょう」
そこで呼びかけているのが「救急相談センター(♯7119)」の活用だ。これは、「救急車を呼んだ方がよいか」「今すぐ病院に行った方がよいか」など判断に迷ったときに、「♯7119」に電話し、医師や看護師から救急電話相談を受けることができるもの。相談件数は年々増えており認知度は上がっているが、「時間をかけ、継続して周知していく」。
「適正利用をしていただくことでこの状況を改善していき、本当に救急車を必要としている人が利用できるよう、ご協力をお願いします」

「防災」を生活に溶け込ませて

コロナ禍で中止を余儀なくされた地域の防災訓練は、徐々に復活している。「今年は新型コロナ流行以前から元に戻していく上で、ちょうど中間の年だと思っています。この防災意識の高まりにさらに弾みをつけられるように、大型の商業施設や葛西防災公園などでイベントをやり、ファミリーや若い世代の人たちへアプローチしていきたい」
はしご車体験やAEDの体験など「子どもは楽しく、親にはためになる」催しを企画する。「葛西エリアは、暮らしの中に人を感じる『生活の街』。この特徴を生かして、ちょっと出かけた先で『イベントをやっているな、参加してみようか』と思ってもらえるきっかけをたくさん作っていきたい」
関心を持ってもらえれば、日ごろ呼びかけている「自助・共助」の動きにも役立つという。「たくさんの命を救うことにつながります。力を入れてPRしていきたい」
「これからも行政・警察・消防それぞれの役割を全うし、連携しながら三位一体となって地域の安全を守るために尽力していきます」

 

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