『青矢号 おもちゃの夜行列車』
ジャンニ・ロダーリ/著 関口 英子/訳(岩波書店)
今回紹介してくれたのは…
東葛西図書館 八巻さん
〈おすすめコメント〉
イタリアのクリスマスはサンタではなく「ベファーナ」という魔女のおばあさんがプレゼントを配ります。でも、子どもたちが毎年プレゼントを心待ちにしているのは、日本と同じです。
べファーナは毎年、子どもたちが喜ぶプレゼントをお店に揃えています。けれども、お金を払ってくれる家族がいない子どもはプレゼントがもらえません。毎日ベファーナの店のショーウィンドウをのぞきこむフランチェスコもその一人。犬のぬいぐるみのコインは心をいためて、自分たちがフランチェスコのプレゼントになろうと呼びかけます。おもちゃたちは一大決心。電気機関車のおもちゃ、青矢号へ乗り込み旅立ちますが、お店の外は波乱万丈の大冒険。水たまり、襲い来る猫、雪…。おもちゃたちは、フランチェスコ以外にもプレゼントをもらえない子どもたちがいることを知り、それぞれの行き先を見つけます。コインとおもちゃたちは、自分の居場所へたどり着くことができるのでしょうか。挿絵もかわいい一冊。大人も子どもも心あたたまる、クリスマスにぴったりのおはなしです。