江戸川区は、ひきこもりによる社会的な孤立を防ぎ、段階的な社会参加を支援しようと、インターネット上のメタバース(仮想空間)を活用したオンライン居場所を、6月24日(土)に初めて開催した。
区ではこれまで、ひきこもり当事者やその家族を支援するため、講演会やZOOMによるオンライン居場所の開設など、さまざまな取り組みを実施してきた。
こうした中、当事者から「顔や名前を出すことに抵抗がある」「外出が難しい」などの声が上がったため、より気軽に参加できる場として、新たにメタバースを活用した居場所の開設を決定した。
オンライン居場所はKHJ全国ひきこもり家族会連合会(豊島区)の持つメタバース空間を借りて開設。
ジャーナリストで同会副理事長の池上正樹氏をコーディネーターとし、ファシリテーターが参加者同士の交流をサポートする。
参加者はアバター(分身)を通じて、ファシリテーターや他の参加者とチャット機能を使って自由に会話ができ、自宅にいながら実際に会場にいるような感覚で交流をすることができる。
当日は、リアル会場(長島桑川コミュニティ会館)とのハイブリッド型で開催し、メタバースに12人、リアル会場に17人の計29人が参加した。
はじめに、事前に募集したテーマの中から参加者の投票によりトークテーマを決定。「家族にしてほしいこと、してほしくないこと」をテーマに、ファシリテーターが進行役となって交流を行った。
テーマに基づき参加者は、「いつも味方でいてほしい」「暴力は絶対いや」などとアバターを通して意見交換を行った。
福祉部生活援護第一課の森澤昌代課長は、「メタバースでつながることで、社会参加へのきっかけになってくれたらうれしい。アバターを使うことで、顔を出さなくても参加できるので気軽に参加してほしい」と話す。
メタバース空間を活用したオンライン居場所は、リアル会場と併せ、今年度計6回の開催を予定している。