2024年10月現在、「マイコプラズマ肺炎」の定点当たり報告数が増えており、例年の同時期と比べてかなり多い状況となっている。感染経路や対策をまとめた。
◆症状は?
小児や若い人の肺炎の原因として、比較的多いものの一つで、例年、報告されるもののうち約80%は14歳以下だが、成人の報告もみられる。秋冬に増加する傾向がある。
主な症状は、発熱や全身の倦怠感(だるさ)、頭痛、せきなどで、せきは少し遅れて始まることも。熱が下がった後も長期にわたって(3~4週間)せきが続くのが特徴。感染した人の多くは気管支炎で済み、軽い症状が続く(小児の方が軽症で済むと言われている)が、一部の人は肺炎となったり、重症化したりすることも。また、5~10%未満の人で、中耳炎、胸膜炎、心筋炎、髄膜炎などの合併症を併発する症例も報告されている。
◆感染経路は?
飛沫感染や接触感染により感染すると言われている。感染してから発症するまでの潜伏期間は長く、2~3週間くらいとされている。
◆治療方法は?
マクロライド系などの抗菌薬で治療される(※)。重症化した場合には、入院して治療が行われる。せきが長引くなどの症状がある時は、医療機関で診察を受けよう。また、マクロライド系抗菌薬が効かない「耐性菌」に感染した場合は他の抗菌薬で治療する。
(※)成人で、肺炎を伴わない気管支炎であれば、抗菌薬による治療を行わないことが推奨されている。
◆予防と対策
保育施設、幼稚園、学校などの閉鎖施設内や家庭などでの感染伝播はみられるものの、短時間の曝露による感染拡大の可能性はそれほど高くなく、濃厚接触により感染することが多いと考えられている。普段から流水と石けんによる手洗いをすることが大切。
また、感染した場合は、家族間でもタオルの共用は避けること。せきの症状がある場合には、マスクを着用するなど「咳エチケット」を守ることを心がけて。
「マイコプラズマ肺炎」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mycoplasma.html)を加工して作成