浦安市聴覚障害者協会は、聴覚障がい者が地域社会で安心して暮らし、活躍できる環境を整えるため、さまざまな活動を行っている。
会長の小林弘樹さんにその活動の内容や目的、そして、いよいよ来年行われる東京2025デフリンピックについて話を聞いた。
手話を通じたコミュニケーションを広げたい
浦安市聴覚障害者協会は聴覚に障がいを持つ人々が暮らしやすい環境づくりのために活動を行っている。その1つに、手話サークルとともに聴覚障がい者と健聴者の交流を目的とした活動がある。現在、市内の手話サークルには、平日の午前中に活動する「てとわ」や、夜に開催し仕事帰りの人が多く参加する「青べか」、親子手話サークル「つなぐ」などがあり、参加者のライフスタイルに沿った時間帯でさまざまな活動をしている。
「これらは手話を学ぶ場であり、同時にコミュニケーションを深める場です」と小林さん。
また、聴覚障がいについて広く知ってもらうための啓発活動にも注力。「地域社会との連携も大事ですし、小学校や中学校での手話教室や手話体験なども積極的に行っています」
東京2025デフリンピックを間近に控えて
デフリンピックとは、デフ(=耳が聞こえない)アスリートを対象とした4年に1度の国際総合スポーツ競技大会で、来年11月に東京で開かれる。しかし、実際にはあまり周知されておらず、「まずは認知度を向上させたい。国内開催というこの機会に聴覚障がい者スポーツの魅力を多くの人に知ってほしい」と小林会長たちは、ポスターの掲示やイベントでのPR活動に忙しく走り回っている。
ほかにも、全日本ろうあ連盟との協力体制を築き、デフリンピックに向けたさまざまな支援活動を展開中。「来年1月には、デフリンピック出場選手を招いた講演会を企画しています。ぜひ多くの人に聞きにきていただきたいです」
地域とのコミュニケーションは災害時にも生かせる
現在、会員(聴覚障がい者)は19人、賛助会員(健聴者)が40人。会員は40代以上が多い。
「若い世代はインターネットを通じて情報を得ることが多く、協会に所属する必要性を感じないかもしれない。でも、人と直接会ってコミュニケーションを取ることは大切です」と強調する。
災害時の対応についても「聴覚障がい者はなかなか情報を得られず不安になりがち。でも、もし周りの人が簡単な手話や指文字または筆談で対応できれば、聞こえない人の不安を取り除くことができる。支える力になれる」と言及する。そして、「私たちは今後も地域と協力しながら、聴覚障がい者がよりよい環境で暮らし、活躍できる社会の実現を目指して活動を続けていきます」と結んだ。
手話普及活動の様子(市民まつり)
手話言語をブルーライトで輝かせよう!
毎年9月23日は国連の定めた「手話言語の国際デー」。この日は全国各地でブルーライトアップが行われる。
浦安市では当日、市役所庁舎の電光掲示板の照明を青く点灯する。また、庁舎1階の広告用モニターや市内3駅のデジタルサイネージなどでは手話の普及や理解を促す掲示を行っている。