公開日: 2024年4月3日 - 最終更新日: 2024年6月18日

人生100年時代。口の健康を維持するナノケアトリートメントとは?

いちかわ新聞
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フッ素による虫歯予防の欠点を克服
「ナノケアトリートメント」

口内の健康をいつまでも維持するためには、むし歯や歯周病になる前からメンテナンスをしっかりすることが大事だという。
その一つ、「ナノケアトリートメント」をご存じだろうか。

市川市歯科医師会の広報委員、藤田裕歯科医師にくわしく聞いた。

ナノケアトリートメントとは?

日々の食事や歯磨き等で歯の表面には微細な傷がついています。それらを、ナノ粒子薬用ハイドロキシアパタイト配合の歯磨剤や洗口液を用いて健康な状態に修復するケアを「ナノケアトリートメント」と言います。
ここで使用する薬用ハイドロキシアパタイトには、3つの作用があります。

  • 歯垢吸着除去
    むし歯や歯周病の原因となる歯垢をからめとり、口内をすっきりさせる
  • 再結晶化
    歯表面のミクロの傷を埋めて滑らかにし、歯垢や色が付きにくくする
  • 表層下脱灰部(初期むし歯)の再石灰化
    エナメル質が溶け出した結晶損失部に直接ミネラルを補給し再石灰化。歯面性状の回復と改質を促す

フッ素との違いは?

むし歯予防にはフッ素の活用が一般的です。共に「歯を強くする」効果のあるフッ素と薬用ハイドロキシアパタイトですが、再石灰化の仕方に違いがあります。
フッ素は表面のごく薄い層だけが再石灰化し、表面が固くなってラミネーション状態に。エナメル質の奥(表層下)にはミネラルイオンが入らなくなるので、ホワイトスポット(ミネラル不足でできる白い部位)が残ります。
一方の薬用ハイドロキシアパタイトは、エナメル質の奥から再石灰化するため、均一で完全な再石灰化となります。初期のむし歯、ホワイトスポット、矯正ブラケット装着中の方などにもおすすめです。
そのほか、薬用ハイドロキシアパタイトには、次のような効果があります。

  • 知覚過敏抑制
    象牙細管が露出して歯がしみる知覚過敏。薬用ハイドロキシアパタイトで象牙細管を封鎖し、歯がしみなくなる。歯の根元が露出してむし歯になる「根面むし歯」の予防もできる。
  • エイジングケア
    歯本来の白さとツヤを取り戻し、歯のエナメル年齢が若くなる。
  • ホワイトニング
    ホワイトニング中の人や着色・プラークが気になる人には、粗造になった歯面を再結晶化し、修復。滑らかな歯面になり、着色、プラークがつきにくくなる。
  • 酸蝕症 
    歯面にハイドロキシアパタイトのモノレイヤー(コーティング層)ができて、歯を守る。
  • マイクロクロック封鎖 
    歯のヒビ(マイクロクロック)をハイドロキシアパタイトが封鎖し、エナメル質の内側にある象牙質への余計な刺激を遮断する。刺激があると象牙質が防御反応し、歯が変色する。※ヒビ診査は歯科顕微鏡と歯科用3Dスキャナーを応用する
  • ドライマウス 
    唾液量が少なく、口が乾き、ミネラルが抜けている歯を修復する。

人生100年時代、薬用ハイドロキシアパタイトを活用し、自身の口の健康を維持するナノケアトリートメントを始めてみませんか?

 

参考文献

Nanotechnology in dentistry: Present and future perspectives on dental nanomaterials、Klaus D Jandt et al Schiller University Germany

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