9月21日(木)~30日(土)は「秋の全国交通安全運動」。
行徳警察署管内の自転車が関連する事故の状況や、取り組み、努力義務化されたヘルメットの着用状況などについて行徳警察署交通課の盛岡課長に話を聞いた。
交通量の多い路線を中心に取り締まりを実施
同署管内の令和5年1月~8月末の人身事故件数は178件(うち自転車が関連している事故は54件)。
「自転車の関与率は全体の約30%で、千葉県全体のデータから比較してもかなり高い数値です」
同署管内のエリアは、通勤や通学での自転車利用者が非常に多く、特にその時間帯は駅前など混雑する場所に自転車が多く行き交うという。
そこで同署では「自転車指導啓発重点地区・路線」として自転車の通行量の多い行徳駅前通りと交差点を中心に、指導や警告を行っている。
「さまざまな生活スタイルの方に呼びかけたいので、あえて時間帯などは限定せずに行っています。自転車の安全利用を呼びかけるほか、ヘルメット着用の呼びかけなども行っています」
自転車の死亡事故は約6割が頭に致命傷頭部を守るのが重要
令和5年4月1日、改正道路交通法の施行によってすべての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務となった。
自転車を運転する際、運転者はヘルメットをかぶることに努めなければならないのに加え、同乗する人(児童や幼児など)にもヘルメットをかぶらせるように努めなければならない。
また保護者は、児童や幼児が自転車を運転する際は、ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならないというのが「努力義務」だ。
自転車事故で死亡してしまう人の約6割が頭部に致命傷を負っているというデータもある。ヘルメットの着用状況別の致死率では、「着用していない場合」の致死率が「着用している場合」よりも約2・1倍も高くなっており、ヘルメットで頭部を守ることの重要性が確認されている。
自転車ヘルメットの着用率は、全国平均で13・5%。千葉県平均では6・4%となっており、なかなか周知が進んでいないのが現状だ。同署では、地域住民も利用する署内ロビーに自転車ルールを啓発するコーナーを設置。反射板などの紹介に加え、自転車乗用ヘルメットの試着コーナーも設けている。
「事故に遭ってしまったとしても、ヘルメットを着用していればけがの程度の軽減につながります。
現状は全国的に見ても着用率が低い状態ではありますが、事故で悲しい思い、痛い思いをする人を少しでも減らしたい。自転車乗車時は、ぜひヘルメットを着用してください」