世界的に数が少ない珍鳥「カラシラサギ」が、7月14日に市川市の行徳鳥獣保護区(通称:市川野鳥の楽園)に飛来しているのを、同保護区の管理に携わるNPO「行徳自然ほごくらぶ」が確認した。
カラシラサギは、地球上で朝鮮半島や中国の沿岸部などのごく一部でしか繁殖が確認されておらず、IUCN(国際自然保護連合)が「絶滅のリスクが高い」としている種。繁殖期以外には東南アジアなど周辺域にも移動する。日本に渡ってくるものは少なく、なかなかお目にかかれない鳥だが、豊かな水辺のある場所では時折目撃されている。
漢字では「唐白鷺」。全身が白いサギ(シラサギ)の一種で、行徳でもよく見られる「コサギ」と似ているが、くちばしが黄色く、後頭部にボサボサとした冠羽があるのが特徴。体を横に傾けたまま首をつきだす独特なポーズで水辺を活発に歩き、魚などを狙う。
同保護区では、これまでもカラシラサギの飛来記録は複数あり、今回は2015年以来の記録。保護区内で湿地環境づくりに取り組む「行徳自然ほごくらぶ」は、「サギの舞う湿地は、今はほとんど姿を消した行徳の原風景の1つ。大切にしていきたい。保護区は、地元のサギたちはもちろん、遠来のサギの目にも魅力ある自然と映ったのだろう」と話している。
カラシラサギは、7月27日にも保護区内で観察されたが、同くらぶは「国内の湿地を移動しながら、越冬地に向かうはず。無事に旅を続けてほしい。またいつか出合えれば」と、珍鳥を見送る。
なお、行徳鳥獣保護区は普段は立入禁止だが、日曜・祝日を中心に保護区内の観察会を実施している。日程などは事前に「行徳自然ほごくらぶ」ホームページ等で確認を。
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