『おいしいふ~せん』
角野 栄子/著(NHK出版)
今回紹介してくれたのは… 東葛西図書館 前田さん
〈おすすめコメント〉
『魔女の宅急便』や『小さなおばけ』シリーズなどで図書館でもお馴染みの作家・角野栄子さんのエッセイ集です。
ブラジルで暮らしていたころの思い出、あだ名をつけていたお気に入りの洋服、理想の「終の棲家」について。エッセイの中で語られているのは、ごく普通の身の回りのことばかり。たとえば、「みそ汁問題」と題された一編。ここでは“おみそしる”と“おみおつけ”の呼び方から始まり、おいしいみそ汁の作り方、さらには中に入れる「実」へと話は流れていきます。
著者のぽんぽんとはずむような言葉選びとリズムによって、何でもない当たり前のことでも面白いものに見えてくるから不思議。エッセイに添えられたカラフルなイラストも可愛らしい、読むと元気が出る一冊です。